あさってのnote

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🟦TSMC2nmプロセスは順調?

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🟦TSMC次々世代の2nmプロセスは順調?

 半導体の受託製造最大手TSMCは、2nmプロセスの開発状況が順調だと決算発表でコメントしました。リスク生産を2024年に開始し、量産を2025年末に開始する予定です。チップを採用する最初の顧客はアップル(Apple)とインテルIntel)になる見通しです。

2nmプロセス

 半導体プロセスは2~3年おきに更新されるメジャーノードと、その改良ノードで開発が進んでいます。TSMCの最新メジャーノードは5nmプロセスで、2022年後半には次々世代3nmプロセスが登場する予定です。

  •  TSMCのメジャーノード
    • 2018年~ 7nmプロセスファミリー
      「N7」「N7P」「N7+」「N6」 
    • 2020年~ 5nmプロセスファミリー
      「N5」「N5P」「N4」「N4P」「N4X」 
    • 2022年~ 3nmプロセスファミリー
    • 2025年~? 2nmプロセスファミリー 

🟦新構造のトランジスタGAAを採用 

 TSMCの2nmプロセスはトランジスタ構造を現在の主流のFinFETから、GAA(ゲートオールアラウンド)へ変更する予定です。水平方向に電流を流すFinFETでは微細化の限界に近づいてきています。そのため先端プロセスは各社垂直に電流が流れるGAA構造に移行することが予測されています。TSMCはGAA構造を次世代の3nmプロセスからではなく次々世代の2nmプロセスで採用します。つまりTSMCは2025年まで7nmプロセスから採用したEUV露光のFinFETが競争力を保てると考えています。

 

ライバルのサムスン電子インテルのGAA

 GAAはサムスン電子ではMBCFET、インテルではRibbonFETと呼んでいます。サムスン電子は2022年に開始する3nmプロセスの量産でGAAを採用する計画です。インテルは、2024前半に予定しているIntel20AでRibbonFETを採用する計画です。

 先端プロセスのファウンドリーとしてリードするTSMCは、新構造のGAAはしっかり量産技術を確立してから導入する計画です。

🟦まとめ

TSMCは慎重に2025年から2nmでGAA構造のトランジスタを採用する。

 ファウンドリー事業でTSMCを追うサムスン電子は、2022年の3nmプロセスでGAAをいち早く導入する計画です。現在GAAの歩留まりが上がらなく苦戦しているという噂もありますが積極的にリスクをとっています。